看護師が抱えやすい悩みと解決策としての転職

「悩みは自らを前進させ、自らを放棄させるもの」です。悩みとの向き合い方や行動の仕方で人生は180度変わると言っても過言ではありません。
仕事に悩みは付き物ですが、ナースは特に悩みを抱えやすい職業であると言えます。悩みの解決方法は人さまざまですが、最も解決に繋がりやすい方法は転職です。
今回は多くのナースの方が抱える悩みと向き合い方、そして失敗しない転職方法をご紹介します。

多くのナースが抱える5つの悩み

まずはナースの方に多い悩み上位5つをご紹介します。

①　人間関係の悩み
②　上司への不満
③　労働環境への不満
④　給与への不満
⑤　仕事内容の不満

どの職業にも共通しそうな悩みですが、これらはナース特有の労働環境や業務内容に大きく関係しているのです。
1つ1つ確認してみましょう。

①　人間関係の悩み

人間関係に悩むナースの方は多いですが、原因はナース特有の働く環境にあります。ナースの職場環境や業務内容に紐解いて原因を考えてみましょう。

女性が多い職場である

ナースの95％以上が女性という環境であるため、感情に左右されやすい女性特有の人間関係の複雑さが原因で悩む方が多いです。陰口を言う、無視をする、根も葉もないうわさ話を流すなどの陰湿ないじめがナースの間では起こりやすくなります。

命に関わる仕事である

仕事でミスをすることは、患者の命を危険にさらすことに繋がります。命を預かるという責任の重さゆえに、ナースとして未熟なことに対して指導が厳しくなることも。そのため、新人や若手のナースは上司や先輩が怖いという悩みを抱えてしまうことも多くなります。

価値観・看護観が違う

看護の現場は幅が広いため、年代、ライフスタイル、そして経験も違うナースが連携し共に仕事をしていく必要があります。これまで働いてきた職場やナースとしての経験、知識の差によってもナースとしての価値感は全く異なるものになります。
ナースとして「患者の命を守る」という使命は同じであっても看護観は様々です。
・「じっくりと患者に向き合う」ことを大切にするナース
・「効率よく仕事をする」ことを大切にするナース
など、それぞれが大切にする看護観が異なっている場合もあります。
お互いが持つ看護観が異なるため、相手が何を考えているか分からないこともあります。そんなひょんな疑問や不安からお互いに苦手意識ができてしまうことがあります。
ナースの人間関係の悩みについてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。⇒『ナースが人間関係の悩みを乗り越えるための5つの方法』

②　上司への不満

上司や看護師長によるパワハラのターゲットとなりやすいのは、新人ナースです。
一人では右も左も分からぬ新人であるからこそ、上司や看護師長、看護部長などが新人の教育や指導を十分に行い、メンタル面でのケアも実施しなければなりません。
しかし、残念ながら指導を行うべき上司や師長などが、「職場でパワハラに荷担・手動する」というケースも見られます。

教育や指導を施されていない新人ナースがこれらの言葉を浴びせられた際、悲しいことに「自分に実力がないのが悪い」「即戦力となれない自分に価値はない」といったように自分を責めてしまうケースが多発するのです。

③　労働環境への不満

ナースは深刻な人手不足により、過酷労働を強いられています。2008年には2人のナースの「過労死」が認定をされました。命を預かるナースですが、過労が原因で亡くなるなんて痛ましい事実です。
ナースが過酷な労働環境として認識される要因は「夜勤」と「残業」です。

休む暇もない？夜勤シフトの実態

夜勤には、3交替勤務と2交替勤務があり、両者でシフトが異なってきます。

一見すると短い勤務時間に見えますが、これが月間シフトになると1日で日勤から深夜勤なんて日があり得るのです。そうなると、帰宅してまたすぐ出勤というハードスケジュールになります。
中には家に帰らずに仮眠室で深夜勤まで過ごすという人もいるそうです。

新人ナースに多い残業の実態

残業の多いナースですが、その中でも、新人ナースの残業に着目してみましょう。新人ナースは慣れない環境と業務で残業が多くなりがちです。

休日に溜まってしまった記録をやりに来るナースもいます。このような環境で働くナースがいるため離職率の高さが問題になるのも納得いただけると思います。

④　給料への不満

ナースが転職を踏み切る理由として多いのは給料への不満です。給料は地域によっても異なりますし勤続年数によっても異なります。

北海道・東北エリア

北海道･東北エリアで給料の額が最も高いのは北海道です。
正看護師で322,600円、准看護師で285,100円となっています。反対に最も低いのは青森県で、正看護師274,500円、准看護師215,200円です。

関東エリア

関東エリアで給料の額が最も高いのは正看護師の場合、東京都の363,100円と准看護師の場合、神奈川県342,400円です。反対に最も低いのは、正看護師の場合、群馬県の312,600円と准看護師だと茨城県の280,700円です｡

甲信越・北陸エリア

甲信越･北陸エリアで給料の額が最も高いのは新潟県の329,500円、305,600円となっています。反対に最も低いのは山梨県の正看護師で294,100円、福井県の准看護師で250,300円です。

東海エリア

東海エリアの平均給与額が最も高いのは岐阜県で、正看護師で356,200円、准看護師で315,800 円となっています。
反対に最も低いのは愛知県の正看護師で329,700円、三重県の准看護師で275,300円です。

関西エリア

関西エリアで平均給与額が最も高いのは奈良県で、正看護師で345,700円、准看護師で333,600円となっています｡
反対に最も低いのは兵庫県の正看護師で308,400円､京都府の准看護師で275,700円です｡

中国・四国エリア

中国･四国エリアで平均給与額が最も高いのは徳島県の正看護師で328,900円、広島県の准看護師で294,300円となっています｡
反対に最も低いのは愛媛県の正看護師で289,000円、山口県の准看護師で219,000円です｡

九州・沖縄エリア

九州･沖縄エリアで平均給与額が最も高いのは福岡県で、正看護師で318,400円、准看護師で263,400円となっています｡
反対に最も低いのは宮崎県で､正看護師で273,700円、准看護師で218,300円です｡

勤続年数ごとの平均年収

続いて、ナースの地域別の平均給料です。全国的にやはり関東・関西が高収入となっています。
経験5年の年収を平均すると月26万円程度がナースの給料の全国平均となります。

⑤　仕事内容への不満

ナースは、疾病者や褥婦などの療養上のお世話をしたりまたは診療の補助などをすることを業とする人のことを指し、以下の業務を行う医療従事者です。

• 医師等が患者を診療する際の補助
• 病気や障害を持つ人々の日常生活における援助
• 疾病の予防や健康の維持増進を目的とした教育

ナースのお仕事は一見華やかで憧れの職業だと思われがちですが、実際の勤務状況は非常に厳しく、2交代勤務の場合であれば、16時間かけて夜勤の仕事をすることになります。やりがいを感じる仕事である一方で仕事内容などの悩みを抱えている方も多くいます。

退職も慎重に！成功する転職方法

現在の職場を辞めるタイミングやどうしても辞めれない環境があるなど、「転職はしたいけどどうしても切り出しにくい…」という方もいますよね。どの病院もナースは不足しているため、1人辞めるだけでも病院側は非常に敏感になります。

円満退社で転職モードに切り替える

ナースが転職をスムーズに行うためには、今の職場を円満に辞められるように退職理由を考えながら転職先を探す必要があります。現在はどの病院や医療施設でもナース不足で困っているので転職先を探すのは難しくありません。希望の待遇や仕事内容、雰囲気の良い職場での採用を目指すには、やはりある程度時間をかけて転職活動をすることも大切なのです。

焦り禁物！落ち着いて判断できる状態にしよう

仕事をしながら転職活動をするのは簡単ではありません。しかし、退職してから探すとなるとどうしても「早く転職先を見つけなければ」という焦りが生じます。そうなると、「とりあえず働いてみよう」と軽い気持ちで入職し結局は自分に合わなくてまた転職を繰り返してしまうこともあります。最終的に落ち着いて働ける職場を見つけるためには焦りは禁物です。

ナース専用の転職サイトを利用する

自分で求人を探して面接の予約をすることが大変であれば、ナース専用の転職サイトを利用するのが効率的でおすすめです。担当のコンサルタントに希望の待遇や雰囲気の転職先を探してもらい、スキルに合った求人を紹介してもらえるため手間が省けるのがメリットです。
待遇面などの交渉も間に入ってもらえるので、無理なく希望を伝えることもできます。働きながら転職活動をしたいから時間が取れないという人にもナース専用の転職サイトは最適です。
スムーズな転職のためには転職サイトを上手く利用していくことが大切なのです。