派遣看護師ができるお仕事の一つとしてデイサービスがあります。
デイサービスは夜勤が無く難しい医療処置は行わないため、仕事内容はある程度ゆとりがあるほか、時給相場も高いというメリットがあります。
とはいえ具体的にどういうお仕事なのか、デメリットは本当に無いのかという点も気になりますよね。
派遣看護師の仕事でデイサービスに興味がある方に向けて、今回は派遣看護師がデイサービスで働く場合の仕事内容と、メリット・デメリットについてご紹介していきたいと思います。
デイサービスに勤務する派遣看護師はどんな仕事をしているの？
現在デイサービスなどの福祉系の仕事は、看護師の需要も非常に高くなっており資格さえあれば、という感じでほぼ入れ食い状態になっていると言えます。
すぐに仕事に入ることもできるので、派遣看護師にとってはありがたい状況ですが、どのような仕事であるかをある程度把握しておくことも必要です。
ここではデイサービスにおける派遣看護師の仕事内容についてご紹介していきましょう。
老人ホームとはちょっと違う！デイサービスってどんな施設？
まずデイサービスとは通所介護とも呼ばれ、利用者がデイサービスの施設に通い、食事や入浴の介助といった生活支援を受けたり、レクリエーションによる交流を楽しんだりするサービスとなっています。
デイサービスを利用するのは自宅から施設までの移動ができ、自宅でも生活が可能な程度の要介護と認定された高齢者です。
派遣看護師はこのような利用者に対して、様々な生活支援を提供していくことが仕事となります。
デイサービスで派遣看護師が担う具体的な仕事内容
デイサービスにおける派遣看護師の具体的な仕事内容は以下のようになります。
- 利用者のバイタルチェックや生活指導
- インスリン注射・服薬管理などの医療支援
- 入浴後の外介助や食事介助などの生活支援
- レクリエーション企画・安全に楽しめるよう利用者を見守る
- 施設の清掃や車での利用者の送迎を行う
デイサービス施設は医療機関では無いので、高度な医療処置は要求されませんし、医師からの指示がない医療行為もできません。
派遣看護師が行う医療行為は主に以下のようなものとなります。
- インスリン注射
- バルーンカテーテル
- ストーマ管理
- 内服管理
- 軟膏塗布
- 褥瘡処置
主な役割は施設利用者が快適に過ごせるよう介助すること
デイサービスにおける派遣看護師の役割は、利用者が快適且つ安全に施設で過ごし、医療支援を受けられるように努めることであると言えます。
そのため利用者の異変を見逃さないよう、健康管理には日常的に注意しておく必要があります。
また万が一、利用者に急変があった場合などは、担当医に報告する又は救急車が必要かどうかの判断をすることもあります。
デイサービスの看護師はこのように、介護職員にはできない医療的な判断や処置を行うのと同時に、介護職のサポートが主な仕事となります。
デイサービスで派遣看護師として働く際のメリット
デイサービスは派遣看護師の仕事として、おすすめと言える特徴がいくつかあります。
- 病院勤務のような夜勤がなく残業なしで働ける
- ブランクがある看護師さんでも働きやすい
- 施設を利用する人と豊かなコミュニケーションが取れる
- 高齢者施設の求人が増えているので仕事が見つけやすい
病院勤務のような夜勤がなく残業なしで働ける
デイサービスではほぼ夜勤なし・残業なしで働くことができます。患者さんを入院という形でも受け入れている病院とは異なり、施設の利用者は決まった時間に帰宅するためです。
そのためスタッフも定時で帰ることができ、プライベートと仕事を両立したい派遣看護師の方には、非常に働きやすい勤務スタイルとなっているのです。
子育て中の方など残業があると働きにくいという事情の看護師さんであれば、検討する価値は充分にあると言えます。
ブランクがある看護師さんでも働きやすい
病院で勤務する場合は採血や注射といったスキルが必要になるほか、最新の医療知識についてもある程度知っておく必要があるので、ブランクがあると現場でやっていけるか不安になるものです。
しかしデイサービスで行う医療処置は、病院よりも少ない上に高度な処置を要求されることも無いので、ブランクがある方も派遣看護師として働きやすい環境となっています。
施設を利用する人と豊かなコミュニケーションが取れる
デイサービスでは利用者の健康状態を把握することも大切ですが、利用者が快適に過ごせるよう交流を通して精神的なケアを行うのも仕事の内です。
高度な医療処置は行わないものの、その分急患が出やすい病院よりも精神的にゆとりができるため、利用者1人1人と交流しやすくなります。
利用者とじっくりと向き合うことができるので、より患者さんとコミュニケーションを取りたいという看護師さんには向いていると言えるでしょう。
またレクリエーションを考えるのも仕事の内なので、企画を考えることが好きな方は楽しみながら仕事ができます。
高齢者施設の求人が増えているので仕事が見つけやすい
一般的な派遣では登録しても求人が見つからない・求人を紹介してもらえないということも珍しくありません。
しかし派遣看護師の場合は事情が異なります。慢性的な人員不足となっているので看護師の需要は非常に高く、仕事を紹介してもらえないという不安はほとんど無いと言えます。
デイサービスを始めとした福祉系の求人は年々数が増加しており、すぐに仕事が欲しい派遣看護師の方にもおすすめとなっています。
また求人数が多いだけでなく高いスキルは必要ないので、ブランクがある方でも応募しやすい、という点も嬉しいメリットですね。
デイサービスで派遣看護師として働く際のデメリット
このようにデイサービスのお仕事は、派遣看護師の方が働きやすいと言える条件をたくさん有しています。
しかし反面デメリットとなる点もいくつかあるのでご紹介したいと思います。
- 高度なスキルが必要無い分、スキルアップできない
- 病院よりも看護業務以外の仕事が多い
- 病院勤務に比べると給料が下がる
高度なスキルが必要無い分、スキルアップできない
デイサービスでは病院よりも医療処置が限定されています。医療処置の数も病院より少なく、上記で述べてきたとおり高度な医療スキルは要求されません。
また勉強会なども無いので看護師としてのスキルアップはほとんど望めない環境となります。
看護師としてより高いスキルを身に着けたいと思うなら、デイサービスでの仕事はおすすめできないと言えるでしょう。
病院よりも看護業務以外の仕事が多い
デイサービスでのお仕事は医療処置よりも、利用者を介助する仕事の方が多いと言えます。
どちらかというと、病気の患者さんを看護するというよりも介護的要素の方が大きいので、派遣看護師の中には医療行為を行いたい気持ちから、もどかしいと感じる方も少なくないようです。
見守る行為よりも看護をしたいという気持ちの方が大きい場合、かえってストレスとなることもあるかもしれません。
病院勤務に比べると給料が下がる
看護師の仕事は夜勤が入るため、どうしても生活が不規則になりがちですが、デイサービスでの勤務では夜勤が残業がないので、定時に上がることができるというメリットがあります。
しかし夜勤や残業が無い分、手当が出ないことから病院勤務の看護師よりも、必然給料が低くなるというデメリットがあるのです。
しかしそれはあくまで病院勤務の看護師と比べた場合であって、都市圏なら時給は1,700円以上となっていることが多く、一般の派遣よりも高時給での求人がほとんどです。
どんな人がデイサービスの派遣看護師に向いている？
以上のことを踏まえ、最後にデイサービスでの仕事に向いている派遣看護師の特徴をご紹介したいと思います。
- 夜勤や残業を省いて日勤で働きたい方
- 急患などに影響されずスケジュール通りに働きたい方
- ブランクがあるけれど看護師の資格を活かして働きたい方
- 施設利用者とのコミュニケーションが好きな方
- 新しいレクリエーションを考えるのが好きな方
以上のような方であれば、よりデイサービスでの派遣に順応しやすいと言えるでしょう。
デイサービスでは医療処置によるプレッシャーが少ない分、利用者やスタッフとのコミュニケーションが非常に大切となります。
また病院とは異なりデイサービスの場合は、介護要素的な仕事の方が多いので、その点も踏まえた上で派遣看護師としての入職を検討しましょう。
