本当は給料低い?大学病院を検討中の看護師が知っておくべきこと

看護師の給料 給料・待遇

大学病院の求人は看護師の求人の中でも数が少ない上に、非常に人気が高いのでほとんどが非公開となっています。

数ある看護師の求人の中で高い人気となっているのは、給料を含めた雇用条件が良いというのが主な理由です。

しかし実のところ大学病院は他の病院とは違った特徴もたくさん持っているので、入ってみてから気づいて後悔したなんてことにもなりかねないのです!

今回は大学病院勤務を検討している看護師さんに向けて、入職前に知っておくべきポイントをまとめてご紹介したいと思います。

残業手当ナシ!?大学病院に勤める看護師は決して高給取りというわけではない

大学病院は設備も雇用制度も充実していますので、看護師さんの給料も平均より高いイメージがありますよね。

しかし実際にはイメージとは異なる点もあるので、ここでは大学病院に勤務する看護師さんの給料事情について、詳しく解説していきたいと思います。

残業手当や夜勤手当は他の病院よりも少ない!?

最新の医療に関わることができる大学病院では、勉強会や研究会により残業しなければならない場合もありますが、超過勤務時間の上限を越えた場合の残業代はカウントしないので、残業代が出ないということも珍しくありません。

また看護師さんにとっては大きな収入源となる夜勤手当が他の病院と比べて少ないケースもあり、残業や夜勤の回数によっては民間病院に勤務している場合よりも給与が低いこともあるのです。

大学病院での給料は特別高いというわけではない!?

大学病院・民間病院を含めた看護師さんの全体的な平均年収は約475万円前後(2018年)であるとされています。

全体で見た平均年収ですので大学病院勤務であっても、実は思ったほど高くないということがわかります。

そのため大幅な給料アップを狙った上での転職先としては、大学病院が最適でない可能性も充分にあることを心に留めておく必要があるでしょう。

もちろん看護師さんの経歴やスキルを考慮した上で基本給は決まりますが、まだ若いうちから他より高い月収をもらうことはやはり難しいと言えます。

看護師の職場の中で一番年収の高い職場はER!

単純に大学病院が最も高い給料をもらえる職場というわけではありません。

看護師さんが勤務する主な職場を比較してみたところ、最も平均年収が高いのはER勤務の看護師です。

職場ごとに年収が高い順で並べてみると以下のようになります。

職場ごとの順位平均年収
1位→ER勤務543万円(487万円~600万円)
2位→大学病院490万円(420万円~560万円)
3位→総合病院465万円(400万円~530万円)
4位→診療所/クリニック390万円(340万円~440万円)

救急では深夜まで患者に対応しなければならない、しかも限られた人数で処置しなければならないなど、プレッシャーからの負担も大きいこともあり、単純に給料だけで選ぶことはおすすめできません。

ただしERは重篤の患者さんを助けることが使命なので、その分やりがいも大きい仕事です。

看護師として救急医療に関する知見を高めたい方や、体力に自信のある方にはおすすめであると言えそうです。

大学病院の求人に看護師さんが殺到する4つの理由!

大学病院の給料が必ずしも高いというわけではないことを聞いて、意外な事実にガッカリしたかもしれませんね。

とはいえ大学病院の求人では必ず定員以上の募集が集まるので、あまりの人気ぶりにそのほとんどが非公開扱いとなっています。

大学病院勤務の看護師さんが必ずしも高給取りであるとは限りませんが、それでも勤務条件においてメリットが多いことも事実なのです。

ここでは看護師さんが大学病院で働く際のメリットについてご紹介していきたいと思います。

キャリアアップや資格取得に対する支援が充実している!

大学病院は患者さんを癒す医療機関であると同時に、教育機関としての役割も持っています。
勉強会や研修もたくさん実施されているので、最新の医療について学ぶ環境が充実していると言えるでしょう。

また大学病院では認定看護師の資格取得支援や大学院への進学を支援してくれるので、これらの研修制度を利用してより高度な看護の知識を身につけたり、キャリアアップを目指したりと自身の将来性を養っていくことができます。

このため大学病院は最先端医療の知識を備えた看護師として成長できる環境であると言えるでしょう。

公務員並の福利厚生を受けることも夢じゃない!

大学病院の求人が人気となっている理由の一つが福利厚生の手厚さだと言えます。
近年では民間の病院でも福利厚生が充実しているところも出てきましたが、比較してみると大学病院の方がまだ優勢となっています。

看護師さんが大学病院で働く場合、給料や福利厚生の内容的には公務員と大差無いと言えるでしょう。

看護師さんの年収は他の職種よりも昇給しにくいという特徴がありますが、大学病院の場合は公務員と同じく勤務年数に応じて昇給するほか、ボーナスや退職金に関してもほとんど同じ条件です。

ただし私立大学付属の病院では都心部と地方で給与待遇に差が出るので、全ての病院で福利厚生の内容が同じだというわけではありません。

特定の分野に特化した看護師として活躍できる!

大学病院では仕事が分業化されているため、看護師であれば専門性の高い分野に特化した看護をすることができます。

民間病院の現場では患者さんの介護業務をすることが多く、もっと看護に専念したいと思う人にとっては物足りなさを感じるかもしれません。

その点大学病院ではより専門性に特化した看護師として働くことができます。
最新の医療に関する勉強や難しい症例に接する機会も多く、がん看護など特定の分野で活躍することも可能です。

代わりにより切磋琢磨が必要で決して楽とは言えませんが、知的向上心の高い方にとってはイキイキとできる環境であるとも言えるでしょう。

大学病院勤務の経歴は転職する際に有利に働くことも!

大学病院で勤務することによって将来的な選択肢も広げることができます。

その理由は大学病院では他の民間病院では得られない、看護の知識や経験を得ることができるからです。

上記でも述べてきましたが大学病院に勤務する看護師さんは、最新の医療に接する機会が多くありますので専門的な知識をより蓄えることができます。

3次救急まで対応できるスキルがあれば病院からの需要も高くなる

また設備が揃っている大学病院では3次救急まで対応するため、重篤な患者さんに対する適切な処置も身につけることができるでしょう。

このように3次救急に対応できる看護師さんであれば、それだけ人材的な需要も高くなるので転職活動においても選択肢が広がります。

現在の病院では満足できない方も環境を変えてみることで、看護師としてさらなる活躍が期待できるかもしれません。

どんな看護師さんが大学病院に向いているのか

大学病院

大学病院は他の病院と異なる面がたくさんあるので、給料面だけでなく自分に合う職場であるかどうかも充分に検討してから入職することをおすすめします。

ここではどのような看護師が大学病院勤務に向いているのかについて、まとめてみましたので参考にしてみてくださいね。

得意な専門分野を活かした看護に携わりたい方

大学病院では高度医療に関わることができるので、そこでしか得られない最先端の知識に触れることができます。

また病院での業務は分業制なので、その分専門分野に特化した仕事をしやすい環境となっています。
たとえばがん看護/慢性疾患看護/感染症看護などの分野に特化した看護師になりたいという方は、大学病院で経験を積んで専門看護師の資格を取るという道もあります。

よって自分が得意な専門分野を活かして仕事をしたい、という方に向いている職場であると言えるでしょう。

大学院に進学して看護の知識をより極めたい方

大学病院では専門看護師や認定看護師の資格取得に対する支援の他、大学院への進学支援をしてくれるところもあります。

現在は看護師の資格取得について授業料を全額負担してくれる病院も増えていますが、大学院への進学であればやはり大学病院を選ぶのがよりスムーズでしょう。

将来は大学院へ入って修士を取り、看護の知識を極めていきたいという方であれば、民間の病院よりも大学病院の方が修士を取りやすいと言えるでしょう。

現に資格取得のために支援制度が充実している病院へ転職する看護師さんも数多く存在します。

将来的にキャリアアップによる高給職を目指している方

大学病院は基本的に規模が大きいので、病棟ごとに看護師長や看護副師長に昇格することができ、民間の病院と比べて上のポジションに就ける確率も増えます。

そのため病院内でのキャリアアップを目指したいという方にも大学病院はおすすめと言えるでしょう。

さらに専門資格を取得すればより昇進のチャンスも引き寄せることができるでしょう。

昇進すれば基本給も上がり役職手当によって収入をアップさせることも可能です。

とはいえそれまでは、たとえハードワークであってもしっかりとこなせる力も必要となります。
将来の展望をしっかりと見据えた上で、自分に合う職場であるかをきちんと把握しておくことも大切です。

大学病院の求人は給料だけでなく将来的な展望も併せて検討しよう!

大学病院は他の医療機関と比べて給料を含めた雇用条件は優れていると言えます。

しかし普通の病院とは異なる面もたくさんあるため、民間病院と同じように働けると考えるのはおすすめできません。

また高収入となっている看護師さんの仕事は、大抵の場合専門性の高い仕事であったり、ハードな職場であったりします。

大学病院を検討する場合は給料だけでなく、どのような看護師として勤めたいのか将来的な展望も含めて入職するかしないかを判断することをおすすめします!

タイトルとURLをコピーしました